皆さんこんにちは、でぃえごです。今回は自分が低勝率手法を推す理由について話していきたいと思います。ここで定義する勝率とは個々の取引がプラスかマイナスかの割合のことです。例えば10回取引をして、5勝5敗であれば勝率50%です。ではなぜ低勝率の手法には優位性があるのでしょうか。それは次の2つの要素で説明できます。
1.トレンド相場
金融市場に存在するどんな商品の値動きにもトレンド相場とレンジ相場があります。このうちトレンド相場とは一方向に価格が変動する値動きで、投資家の心理が大きく関わっていると考えられています。人間は利益に対する喜びよりも損失に対する悲しみを大きく感じるため、多くの人が適切な投資判断を下すことができません。頭の中では利益を伸ばさなければならないと分かっていても、トレンドが伸びている最中に利確してしまったり、自分のロジックにない取引タイミングでも機会損失を恐れるあまりに飛びつき買いをしてしまったりするのもそのためです。詳しいことは省きますが、このような投資家の心理により金融市場ではトレンドというランダムではない値動きが発生します。逆にいうとそれ以外の値動きであるレンジ相場では、ランダムな価格変動をしていると考えられます。つまり取引に優位性を持たせようとすると、自ずとトレンド相場を狙う必要があるわけです。
トレンド相場を狙う場合、価格は一方向に伸びるわけですから自分が賭けた方向とは逆に動いた場合すぐに損切りをしなければなりません。反対に自分が賭けた方向に順行した場合は、その値動きが終わって反転するまで利益を伸ばし続けなければなりません。そのためリスクリワード比率は高くなりますが、その分勝率が低くなるというわけです。多くの人は勝率が低い取引では資金が増えないと錯覚していますが、全くそんなことはありません。例えば平均してリスクリワードが1 : 3程度の人は、勝率が25%以上であれば資金は増えていきます。
2.大衆は勝率にこだわる
多くのトレーダーは個々の取引での勝ち負けにこだわる傾向があります。よく初心者トレーダーが絶対に勝てる手法、いわゆる聖杯を探すことからも、この傾向が伺えます。またプロスペクト理論からも分かるように、とにかく個々の取引が損失で終わることを人間は嫌います。この心理によって多くの人は勝率が高いトレード手法を求めてしまうのです。
では、多くの人と同じように高勝率の取引を行うと何が起こるでしょうか。皆さんご存知の通り、金融市場では9割のトレーダーが負けていると言われており、もっと深掘りすると大衆と同じような行動をすると負けやすくなるということが分かります。これらのことから、大衆が好む高勝率手法と比較すると低勝率手法そのものにエッジがあると考えることができると思います。これは単に低勝率であれば勝てるというわけではありません。当然、世の中には高勝率&低リスクリワードで勝ち続けている人もいますし、低勝率&低リスクリワードでボロ負けしている人もいます(笑)。今回伝えたかったのは勝率を高めるよりもリスクリワードを高める方が大衆と異なる取引に近づき優位性が生まれるということです。
結論
長年にわたって勝ち続けているトレーダーさんは比較的低勝率で高リスクリワードの取引スタイルを取っていると感じます。その方達の資産推移はイメージですが、普段なかなか資産が増えず、勝ったり負けたりを繰り返して少しプラスぐらいだけど、年に数回大きなトレンドに乗り資産を数倍にするみたいな感じです。しかし多くの人はこれができません。含み益がある程度増えた時点で、「さすがに上昇しすぎてるからそろそろ利確しよう」といった感じでその取引を終わらせてしまうのです。利益を伸ばすには少々鍛錬が必要で時間がかかるかもしれませんが、それゆえに優位性があるのです。ぜひ、みなさんも参考にしてみてはいかがでしょうか。