みなさんこんにちはでぃえごです.多くの人は短期トレードにおいてテクニカル分析を用いて売買判断をしているかと思います.例えば,独自にチャート分析をし,その結果トレードがうまくいき利益を上げられたとします.そのとき「自分の分析が正しく,値動きを正確に予想することができた」と考える人は少なくないかと思います.しかしこの考え方は危険であり,近い将来大きな損失を被る可能性をはらんでいます.そこで,今回はテクニカル分析を用いてトレードするにあたって必ず理解しておくべき重要なことについて話していきます.
それではさっそく本題に入っていきましょう.
目次
1. 相場参加者の取引理由は人それぞれ異なる
金融市場において値動き,つまりは価格変動が生じる理由はシンプルで一言で言えば需給のバランスです.ある価格で買いたい人と売りたい人がいれば取引は成立しますが,仮にある値段では売れないけど”もう少し高い値段”だったら売れる人がいるというときは,現在価格では取引が成立しないため”もう少し高い値段”で取引が行われます.つまり売りを上回る買いがあるときに価格は上昇し,買いを上回る売りが出たときに価格は下落します.
一見すると,コンピュータが一人でにチャートを描いているようですが,実際は相場参加者の取引によって価格が変動しています.当たり前ですがこの相場参加者全員の取引理由を予測できる人などいませんし,その方法もありません.ある人はブレイクの買いを仕掛け,またある人はダブルトップを予想し売りを仕掛けるかもしれません.
このように皆が別々の分析をし,その結果売り買いをしているのです.
2. 分析した結果値動きが予想通り動いたとしても,その理由が正しいとは限らない
冒頭でも話した通り,「自分の分析が正しいからトレードで勝てた」と考える人は多くいるでしょう.しかし値動きの真の理由は誰にも分かりませんし,それは多くの相場参加者の取引結果を反映しているに過ぎません.トレードで利益を上げるためには自分が買った後に,それよりも高い価格で売り注文を飲み込む買い注文が出なければいけないのです.
よく未来のことは誰にも分からないと言いますが,それもそのはずで,多くの相場参加者の意思決定など予測できるはずもないのです.
3. 自分の分析が正しい結果勝てたと考えるのは危険である
これまで話してきた考え方でトレードを続けるのはとても危険です.自分の分析が100%正しいと考えるとトレーダーにとっての命綱である損切りができなくなるからです.
99%のトレーダーが破産する多くの理由は,大相場で逆行ポジションを損切りできず,それどころか自分の誤りを認められずナンピンを続けてしまうということです.残りの1%はスイスフランショックのように急激に価格が変動し,それに付随して取引が不可能になるパターンです.
しかし多くの場合では適正な価格で損切りの逆指値注文を入れている限り破産しません.破産するトレーダーは自分の分析に固執した結果,この逆指値注文をずらす,もしくは取り消すのです.
4. テクニカル分析は確率を判断するツールに過ぎない
これまで話したことで分かる通り,テクニカル分析では確率ベースの予測しかできません.それは言語化すると「Aが起こるとBが起きやすい」といった感じでしょうか.私は普段のトレードでチャートパターン分析を用いてトレードを行っています.大雑把に話すと「このチャート形状を描いたら,トレンドが発生しやすい」みたいな感じです.もちろん,そのチャートパターンを形成した後には枝分かれ的に様々なパターンが考えられ,それらに対する対処法をあらかじめ考えておきトレードをしています.
つまり.テクニカル分析は絶対的な予測ではなくあくまでも確率的な予測なのです.この考え方が身につけばポジションを取った後にどんな値動きが起きようと動じずに対応できますし,負けで終わったトレードも悲しい気持ちになるようなことはありません.冷静に対処でき,それによって自分の分析の優位性を最大限発揮することができるようになるのです.
最後にこの記事の考え方の土台となる書籍を紹介させてください.
この本はトレード心理学の第一人者であるマークダグラスさんが書いた最後の書籍です.彼はシカゴのトレーダー育成機関であるトレーディング・ビヘイビア・ダイナミクス社の社長であり,自身のトレード経験からトレードで成功できない原因とその克服策をこの書籍に示しております.
是非良ければ手にとてみてください.